Rへの感謝

R、貴方への感謝。

久しぶりのRは、怯えていた

R、この前、街で会いましたね。私のことを忘れていましたね。

奥さんの死をやはり一人で受け止めてしまったの?

記憶が消えて、怯えている顔をしていた。

昔の貴方を知っている人が怖いの?

貴方は、何に怯えているの?

驚かせてごめんなさい。

昔より、一回り以上、痩せていましたね。

ちゃんと食べてる?寝てる?

そして、久しぶりに貴方の声を聞いたわ。

いつも朔しか、私と会話してくれないから。

貴方の声を聞かなくなって、もう7年。

いるのに、いない、そんな距離感でしたね。

ごめんなさい

また私は貴方のことを避けるように逃げてしまっています。

嫌いじゃないの。本当はそばにいたいの。

助けたいの。

でも、私はもう生きる気力がないの。

きっと貴方の方が死にたいはずなのに、みんなの願いを受け取って生きてるのよね?

ありがとう

R、朔と私を守ってくれて、出会わせてくれて、本当にありがとう。

朔とは、永遠の片思いでしたが、彼の適合者として彼の人生を見守れたことは、私の人生に置いて、貴重な体験で、私も人間として大いに成長できた時間でした。

だから、お願いがあるの。

もう自分を責めないで?

貴方はいつだって、自分よりも周りを優先し、助けようとする。

そして、自分に枷をつけて、自分が悪いと責め、自分を拒絶する。

もう、許してあげて?

もう貴方は、あの頃の貴方じゃない、隔離病棟に拘束されていた頃の貴方じゃないの。

誰よりも優しさと、人の痛みを知っているよ?

もう自分を、貴方自身を許してあげて?

きっと、Rも適合者に出会うはずだから。

貴方の苦しみを、止めてくれる人が現れるから。

何があっても、隔離病棟へは戻らないで?

貴方の心を助ける場所ではないよ、あそこは。

私は、貴方と出会い、何度も挫折したわ。

どうして?どうして安定してくれないの?って嫌になってた。

でも、貴方も一人でずっと、向き合っているのよね?

もう十数年間、ずっと。

許してあげて?自分自身を。

貴方の心を、受けて止めてくれる人は、きっといるから。

諦めないで?

貴方の心の中の世界に、一度でもいいから踏みこんで、抱きしめてあげれば

貴方も少しは楽になれてた?

朔とは、ご飯は一緒に食べるけど、触れ合うことはなかった。

朔は、朔に触れると、私が壊れると思っていたから。

怪我の手当てすら、させてもらえなかった。

R、貴方はいちばん人間らしいわ。

化け物じゃない。

貴方が信用できる存在の人の言葉を信じて?

貴方に、生きることを課したのに、死んでしまう私のことを許してください。

明梨