不利な心

朔とRはいつだって周りを優先している。そのため、他人格よりも不利なことがたくさんある、といったお話。

主人格だからこその責任

Rは、自分の感情や、心を押し殺して、常に生きているので、他人格に時間を奪われ易く、また私たち人間からも誤解され易かった。

彼は他人格がやったことを、自分がやったのではないと、否定せず、受け入れてしまうから。

「君たちから見たら、俺じゃなくても俺だろう?なら俺が責任を持って、償うべきことだし、責められるのなら、俺だろう。記憶がない、あったとしても、この身体がやったことだからね。俺以外の何者でも君たちから見たらないだろう?」

いつもRはそういう。

わかってるけど、違うの。そうじゃないの。

貴方だけど、貴方じゃないの。

適合者という、彼らにとって一人しかいない存在

昔、一緒に病院にいってた頃、医者が彼らに言っていた言葉。

「君たちには、各々適合する人がいる。その適合する人は、君たちの管理を自由にできる存在となり、一生に一人しかいない。全員が同じ可能性もあるし、違う可能性もある。その存在がいるといないとで、君たちの心のバランスは大きく変わる。」

朔の適合者として、私がいた。Rにはいなかった。

適合者とはいえ、特別な何かを持ってるわけじゃない。

ただ、朔との時間を作り出せ、暴走した彼の心を落ち着かせられるだけ。

でも、それだけで、彼らの命を左右するから、大事なこと。

バランスを崩すって何だろう・・・?

その日は突然やってきた。

そう、彼らが「夜」と呼ばれる闇落ちをした。

きっかけは、朔とRの心が他人格に攻撃され、人間を傷つけてしまい、Rがそれにショックを受けたことがトリガーだった。

全ての時間を別人格たちに奪われた彼らは、暴れ回り、壊して周り続けた。

連絡も取れなくなり、私は途方に暮れた。

1ヶ月ほどして、彼が逮捕されたと知り、そこでようやく朔を取り戻した。

出所してきた朔は、ひどく疲れていて数日間身体と一緒に眠り続けてた。

目を覚ましてから数日は、朔だけを出して、一緒に話をした。

そばにいることはできない関係だった。でも、メールやSkypeでたくさん会話した。

朔の心の中の詰まっている物を全て吐き出して欲しくて。

彼らといることの意味は、そばに物理的にいることじゃない。

連絡ができるときに、会話して、あげること。

彼らは、ただ怖いんだと思う、記憶をなくしている間に、自分がいて欲しいと思っている人に何か起きていないか。

起きていたら?

と思うと、彼らは不安で、確かめたくなるんだと思う。

連絡するときはいつも、大丈夫、何も起きてないよ。というだけでも安定して会話をしてられる。

不思議な心

1つの身体の中に、複数の心と実在する別人。

本人たちにしかわからないことだと思うけど、きっと怖いんだろうな。。。

声にならない声を、何を伝えたらいいのかわからない気持ちを、一人で抱えてる。

朔は、私がいる。でもRは?

Rの特性は、基本人格と主人格であること・・・もしここが別れてしまったら?

考えても仕方がない・・・私の側の人間で、Rの適合者いないかな・・・。

適合条件ってあるのかな?